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放射線測定器について 2
 
平成23年6月 1日 作成
ここ数日、多くの知識人は「放射線は粒子だ!」と、声高らかに言いはじめています。

確かにα線とβ線は粒子ですが、γ線は電磁波ですから粒子ではありません。
そして、私たちの身の回りにあるのは放射性セシウムだけと考えてよいでしょう。
よって、放出されているのは、β線とγ線です。粒子と電磁波の2つを考える必要があります。

なお、電磁波とはすべて恐ろしいものではありません。例えば携帯電話の電波や地デジの電波、テレビのリモコンの赤外線も電磁波です。これらは、危険なものではありません。お間違えの無いようにしてください。

様々なメディアで放射線測定器を用いて、土の表面を測定し大騒ぎしています。

当初は行政もGM管検出器のサーベイメータで土の表面を測定していました。
(4月13日、福島県学校等環境放射線ダスト・土壌モニタリング実施結果(土壌)速報)

しかし、福島県は4月24日以降の調査報告から、地表を測定せず、シンチレーション検出器サーベイメータにて空間線量率測定を地表50p〜100pにて測定しています。

土の表面線量、それとも空間線量のどちらが正しいのでしょう。
そんな疑問に出来るだけ分かり易く、解説して見ます。

まず、現在市販されているサーベイメータの検出器は、電離箱、シンチレーション、GM管の3種類があります。

GM管は、ガイガー・ミュラー計数菅と呼ばれることもあります。

ちなみに、簡易的放射線測定器をサーベイメータと呼んでいます。ガイガーカウンタは放射線測定器の総称ではありません。ガイガーカウンタと呼んで良いのはGM管検出器だけです。

では、解説します。

目の前に毒林檎があります。これを放射性物質の存在と仮定します。

1.GM管検出器(ガイガーカウンタ)

この検出器は、鼻と考えてください。
目を閉じて、嗅覚だけで毒林檎を探します。だいぶ近付かないと毒林檎の存在は分かりません。β線が毒林檎の匂いの成分(粒子)です。

さて、目を閉じて嗅覚だけで毒林檎が何個あるかを調べます。
毒林檎がいっぱいあるか、数個しかないかは、匂いの強さで何となく分かるでしょう。でも、正確な個数までは分かりません。これが、GM管検出器なのです。
高価なガイガーカウンタは警察犬レベルかも知れませんね。
 注)但し、エネルギー補償が出来るGM管検出器(ガイガーカウンタ)があります。この場合、シンチレーション型と同等の精度があることを確認しました。

2.電離箱検出器(中国製5万円前後の検出器)

これも鼻ですが、風邪気味の鼻です。
細かい数値の信頼性はありません。

3.シンチレーション検出器

この検出器は、目と考えてください。
γ線が毒林檎の赤い色であり、ずばり電磁波なのです。視覚で赤い色を認識して毒林檎の存在と個数が確認できます。
距離が遠くてもぼんやりではありますが、毒林檎と言う事は認識できます。
そして、ある程度近づくと毒林檎の個数もはっきりと見えて来ます。
でも、毒林檎が多量に山積みになった状態では正確な数は分からなくなってしまいます。
また、毒林檎をあまりにも目に近づき過ぎると、これも何個あるのか分からなってくるばかりか、毒林檎が出す強烈な匂い(β線)が目に染みて良く見えなくなってしまうのです。
以上、行政が放射線量の測定条件を、シンチレーションサーベイメータを用いて、測定線種をγ線とし、地上50cmの空中線量に限定した理由です。数値を正しく測定することによって、土にある放射性物資の量を把握するのです。β線を測らなければという意見もありますが、放射性セシウムはγ線も出していますから、γ線の線量で放射性セシウムの量を算出します。よって、β線に拘る必要はないのです。

遠くから、炎の温度を正確に測り取るという技術と例えても良いでしょう。何が何でも炎の中に温度計を突っ込まなくても良いと言う技術です。

余談ですが、毒林檎の味がα線でしょうか。食べて見て初めてその味の成分(粒子)が分かります。なおα線を出す、放射線物質は検出されていませんので心配はいりません。

目に見えない匂いも無い、でも、人体に相当の悪影響があると言われている放射性物質が自分たちの身の回りにあると言う、大変不幸で不安の中の生活が続いています。福島に住む人々はすべて同じ気持ちです。

私たちと同じ地に住む地方行政体は、県民市民の健康を第一に考え最大限の努力をしています。だからこそ、私たち市民は行政体と一丸となってこの危機を乗り越えるべきなのです。ボランティア精神に則り、ひとりひとりが正しい知識を習得し、積極的に力を出し合いましょう。
文責 たむらと子どもたちの未来を考える会
AFTC副代表  半谷輝己
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