このエントリーをはてなブックマークに追加
放射能測定器について 
 平成23年6月11日 改訂
 平成23年6月 8日 初稿
  最初に、検出部であるGe結晶に、γ線が入射すると電子・正孔対が作られます。ここで出来た電子は直ちに陽極へと移動し、同時に出来た正孔には隣接するGe原子から電子が移動してきて、これが連続的に繰り返されます。
 この時、正孔は負極へと移動していき、電気的なパルスが生じ、これを前置増幅器、主増幅器で増幅され、マルチチャンネル波高分析器(MCA)で分析され、最終的にγ線スペクトルが得られます。これは、電離箱やGM管検出器において放射線が入射したとき、装置内のガスが電離し電気的なパルスを生じるのと似ていますが、検出部のGe結晶は、電離箱などで用いられるガスと比較して、かなり高い感度を持っていて、吸収した一定のγ線のエネルギー毎に一対の電子・正孔が作られるため、パルス波高はγ線のエネルギーに比例します。

 そのため、Ge半導体検出器は高いエネルギー分解能をもち、この分解能は一般に精度が高いと言われているNaI検出器よりもさらに約50倍高く、複数のγ放射体を含む試料でも個別に定量することが可能となります。

 けれども、検出器であるGe結晶を液体窒素で冷却しておかなければ、測定は不可能で、使用する4〜6時間前から冷却して置かなければなりません。さらに、データの精度以上に信頼性を得るためには、バックグラウンド(自然放射線等)の干渉を防ぐ設置施設、さらには標準とするγ線を得るためのCo-60を常備管理施設も必要となります。このため、放射線管理区域に基づく施設設計が必要となります。

この点が、持ち運びできるサーベイメータと大きく異なる点と言えるでしょう。

但し、得られるデータの信頼性は高く、放射線や放射能に関する様々な安全宣言をも発信できる分析器と言えるのです。
 
 出典:薬学におけるラジオアイソトープ・放射線(廣川書店) p.95 図3-21
 
Back  Top