<
このエントリーをはてなブックマークに追加
「放射性ストロンチウム(Sr-90)の 水稲への影響の推察」
 
平成23年10月5日作成
放射性ストロンチウム(Sr-90,89)が、
9月30日付けで文科省より公表されました。

そこで、この発表に基づき、
放射性ストロンチウムの水稲への影響を推察してみました。

結果、Bq/uとBq/kgの単位換算と移行係数を基に推察し、
全く問題が無いと言えるでしょう。

以下に詳細を示します。

今回の発表では、
浪江町で22,000Bq/uが最も高い値であったと報告されています。
よって、この数値で検証を試みます。

水稲における放射性核種の分布と土壌からの白米への移行率※1において、
水稲の根が土壌の表層(0〜20cm)にあるとして考え、
その土壌の乾燥重量は160 kgとして算出していることから、
今回の数値を用いて計算します。

22,000Bq/u÷160s=137.5Bq/kg

表-1 土壌及び水稲の各部位中のSr-90とCs-137 (Bq/kg 乾燥重量)※2,3
Sr-90 Cs-137
Bq/kg 移行係数 Bq/kg 移行係数
土壌 5.6 1 4.4 1
1.2 0.21 0.022 0.005
籾殻 0.28 0.05 0.021 0.00477
0.35 0.0625 0.041 0.00932
白米 0.012 0.0021 0.0048 0.00109



さらに、この表の移行係数から白米1s中のSr-90の放射能量は、

137.5Bq/kg × 0.0021=0.289Bq/kg

結論、この数値より水稲に混入されると予想される放射性ストロンチウムは、
EUやWHOの基準値※4と比較しても全く問題が無いと言えるでしょう。

ちなみに、この移行係数を見ると、
Cs-137に対する水稲の作付け基準値5,000Bq/kgの場合でも、
白米へのCs-137の混入は5.45Bq/kgとなります。

白米中のK-40(自然放射能)9Bq/kg※5と比較して見ても、
極めて低い数値であると言えるでしょう。

文責 AFTC副代表 半谷 輝己
※1 イネにおける放射性核種の分布と土壌からの移行率
財団法人 環境科学技術研究所 広報・研究情報室 平成18年12月13日発行

※2 H. Tsukada, H. Hasegawa, S. Hisamatsu and S.Yamasaki (2002)
Environmental Pollution 117,403-409.

※3 H.Tsukada, A. Takeda, T. Takahashi, H.Hasegawa, S. Hisamatsu and
J.Inaba(2005) Journal of Environmental Radioactivity 81,221-231.

※4 放射性ストロンチウム(Sr-90)の基準値
EU飲料水食品中の基準値 125 Bq/kg
WHO食品中基準値    160 Bq/L

※5 安斎育郎「家族で語る食卓の放射性汚染」
Back  Top